宮城県石巻市沖に位置する網地島は、かつて漁業で栄えたが、近年は島民の高齢化と人口減少が進んでいます。2011年3月11日に発生した東日本大震災の震源に近かったため、震災後はその傾向が強まり、今では高齢者を中心に200世帯500人足らずまでに減ってしまいました。このままではそう遠くないうちに無人島になりかねないと心配されています。
美しい自然と、魚介類や海藻などが豊富な海、暖かい海流のおかげで東北地方にしては温暖な気候など、過ごしやすい環境を活かして、若者や家族が移住したり、多くの人が訪れたりする島に生まれ変わるために何ができるかを調査 したうえで様々なアイデアを立案し、望ましい島の未来図を描き提案するのが、このプロジェクトの目的でした。具体的には「未来の網地島」絵巻物の創作や発 表会などを通して島のプロモーションを行いました。網地島という一つの島を舞台としたプロジェクトであるが、そこで起きている現象は日本全体に共通の問題 であり、地域の盛衰は世界のどこでも起きています。自然災害のような出来事が引き金になって衰退に拍車がかかっても、アイデアをテコに再生す る”resilient”な力を持つことがサステナブルな地域社会の条件であると考えて、その原理モデルを見つけるという目的も持っています。このプロジェクトはNPOスマイルシードが主催する「たまなっちゃプロジェクト(Tamanatcha Project)」とのコラボレーション事業です。