宮城県牡鹿半島の先端の沖合に浮かぶ金華山は、恐山、出羽三山とともに奥州三大霊場の一つに数えられ、古くから多くの参拝者でにぎわってきました。また、山形県の日本海側から太平洋側の金華山へと至る道は、東北地方を横断して訪れる参拝客に伴って山の幸、海の幸が行き来する、物流、交易の街道としの役割を担っていました。その金華山は、2011年3月11日の東北大震災によって金華山黄金山神社への参道が崩落する大きな被害を受け、また港湾施設が地盤沈下したために大型船が接岸できず、小型船をチャーターする以外、島に渡ることができない状況が続いていました。
これは金華山に人々の気持ちを引き留めておくために何ができるかを考え実践するプロジェクトです。東京造形大学の学生は、被災地支援活動の一環として金華山の復興に関わってきましたが、物理的な復旧整備のボランティア活動に加え、金華山復興へのアイデアを開発するために現状調査や関係者へのヒヤリングを行ってきました。その結果、島と神社の現状を多くの人々に伝え、金華山との縁を仲立ちとする東北地方のコミュニティを復活するために、長く更新されていないウェブサイトのリニューアルに協力し、また初詣などの催事の支援も行いました。