スペダギ・プロジェクト:

ローカルな自然素材を活用した分散型プロダクションと社会デザイン

 

化石燃料由来の合成樹脂や金属素材を大量に消費する現代の工業生産方式に替わって、ローカルな再生可能な自然素材を活用した地域分散型のものづくりを推進し、なおかつそれによって生産される製品を地域社会の問題解決に活用するというプロジェクトです。スペダギとはインドネシア語で朝+サイクリングを意味する造語です。このプロジェクトはインドネシアの世界的に有名なプロダクトデザイナーのシンギー・カルトノ氏によって始められました。素材はジャワ島をはじめインドネシアに広く自生するバンブーです。この成長が早く豊富に供給される再生可能な自然素材は、従来から建材をはじめ様々な日用品の材料として活用されてきました。これまでもバンブーあるいは竹をフレームに使った自転車は世界各地でデザインされ、製造されてきましたが、その多くは手工芸的な一品生産で、性能的にも価格的にも作品と呼んだ方がふさわしい性格を持っていました。しかし、スペダギのバンブーバイクは工業生産的な技術を取り入れ、中量生産が可能なデザインとして開発され、改良を加えられてきました。さらにこのバンブーバイクがユニークなのは、その用途と役割があらかじめ想定されていることです。村を巡回し、コミュニティの人々と言葉を交わしながら問題点を発見し、その解決策を探り、場合によっては現場に急行するための移動手段には、自動車では速すぎて小回りが利かず、歩いたのでは遅すぎて、自転車が最適なのです。スペダギバンブーバイクはそうしたソーシャルデザインの道具として開発されました。

このプロジェクトは実施する地域によって二つに分かれています。第一のプロジェクトはスペダギ・プロジェクトへの参加(2015.01~継続中)です。第二のプロジェクトはスペダギ・ジャパン・プロジェクト(2015.04~継続中)です。